2023年度 スローガン
「 百花繚乱~一人ひとりがまちを彩る花になろう~ 」
2023年度 基本方針
- まちや人を想い全員で取り組む会員拡大
- 明るい未来を描くひとづくり
- 心身ともに健やかな人と子供たちの笑顔が溢れるまちづくり
- 持続可能な気仙沼みなとまつりの創造
- ブランドを高める組織づくりと選ばれる広報戦略
- メンバーへの機会の提供と育LOMの推進
2023年度 理事長所信
2023年度 第55代理事長 吾妻 清香
【はじめに】
1949年「新日本の再建は我々青年の仕事である」と志を掲げ、戦後の荒廃の中で青年有志が立ち上がり、日本の青年会議所運動は始まりました。1969年7月6日、当圏域においても青年会議所が発足し、今年度で55年目を迎えます。諸先輩方は、どのような時代にも変化に対応しながら社会の課題を解決すべく、様々な運動を展開し、近年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの日常生活は大きく変わっていく中でも、我々は積極果敢に、時代に即した運動を起こしていくことを大事にしながら、歩みを止めることなく進んできました。しかし、当圏域にはまだまだ解決すべき多くの課題が山積しており、青年である我々が課題に本気で向き合い、解決に導く社会運動を起こしていかなければ、このまちの未来は変わっていきません。人口減少や少子高齢化、医療費の増大等、未来を担う子供たちが抱える問題は多岐にわたり、近年のコロナ禍を経て、心身の健康面での問題に加え、デジタル技術の進化や価値観の変化により、あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、一段と将来の予測が困難な時代へと変化してきています。このような多くの課題によって、将来に不安を抱かざるを得ない状況であるからこそ、当圏域に住まう人々が「明るい豊かな」未来を想像し「希望」をもつことが必要なのだと考えます。希望に満ちた子供は大きく成長し、希望に満ちた大人は人生の満足度が高く、希望に満ちた人々は生きるエネルギーが強いのです。想像してみましょう、先が見えない世の中であっても子供たちが夢を抱き生き生きと生活している姿を。想像してみましょう、当圏域に住まう人々が心身ともに健やかで生き生きと生活している姿を。どのような状況下でも「希望」をもち続けることは、人々の健康維持やパフォーマンスの向上に必要不可欠です。さぁ、動き出そう!「希望が花咲く」気仙沼、南三陸の実現に向けて!
【まちや人を想い全員で取り組む会員拡大】
我々はこの地域を想い日々JC活動に邁進し運動を展開しています。運動とは特定の人や集団の考えと行動を変えるために集団で行動することであり、この運動をより効果的に展開していくには、まちや人のことを想う同志を一人でも多く迎え入れることが必要です。地域活性化のために、メンバーのみならず、候補者の意識と行動を変革させる会員拡大運動こそJC運動の根幹であると強く感じています。近年当LOMでは、組織が維持拡大するための指標となる34%の会員拡大目標を毎年掲げており、私は過去に2度34%拡大達成を目の当たりにしました。1度目は2018年、その後目標未達成となった期間では会員拡大活動における仕組みづくりや、その検証が行われ、昨年2022年には2度目の目標の達成となりました。この2度の経験から学んだことは、リーダーの力強いメッセージや行動力、巻き込み力が必要であり、また、目的達成に向けた検証と実行、メンバー全員が何故会員拡大をしなければいけないのかを理解し、熱意持って行動していくことが重要だと考えます。会員拡大は一人でできるわけではなく、メンバー全員の協力があってこそ達成できるのです。全員で協力しながら目標を達成し、我々の運動を多くの市民へと届けましょう。
そして、本年度は女性会員拡大や20代の会員拡大にも力を入れてまいります。時代に即した運動を展開していくには、多様なメンバーの視点や価値観が必要不可欠であり、メンバーの9割が男性である当LOMにおいては女性ならではの視点と20代の豊かな発想力を活かしながら事業を展開していくことで、地域により良い影響を与えていけるものと考えます。
さらに、新しい会員を迎え入れてから大事になってくることは、新入会員のフォローです。私は入会した当時、右も左もわからず戸惑うことが多くありましたが、そのような時いつも隣には常に気にかけてくれる先輩がいて、様々なことを教えてくれました。新入会員の出席率や定着率を高めるためには、私に寄り添ってくれた先輩のように、新入会員に寄り添う存在が必要だと私は考えます。今年度は、委員会の枠を超えJCでの経験が豊富なメンバーや近い年齢のメンバーが新入会員をサポートするメンター制度を採り入れ、新入会員や入会歴が浅いメンバーのサポートを徹底したいと思います。新入会員の成長を想い、行動していくことが、自身の成長にもつながり、また、新入会員に青年会議所のことを熱く語り、その新入会員も候補者に熱く語れることができれば、会員拡大にもつながる好循環が生まれるのです。この地域を想うからこそ、やりましょう!2年連続34%会員拡大!なりましょう!まちや人に心を寄せるJAYCEEへ!
【明るい未来を描くひとづくり】
子供たちには夢を追い、希望を持って目を輝かせていてほしい。そして我々の住み暮らす地域を想う若者が溢れている未来につなげたい。だからこそ、子供たちの未来に大きな影響を与える大人は、子供たちが前向きに育つことができる様々な環境をつくるために、責任をもち行動を起こすことが必要であり、大人たちの意識と行動の変革こそが、このまちの未来を担う子供たちの成長へとつながるのです。先行き不透明な時代であるからこそ、子供たちは目まぐるしく変化する現代社会を生き抜いていけるよう、自ら考え判断することができる「自律」と、自らの力だけで行動できる「自立」が必要だと考えます。大人たちはより良い未来に導けるよう子供の自律と自立を見守り、サポートしていくことが今求められているのです。また、私が考えるリーダーの能力とは個々の能力を最大化させることであり、我々は未来を担う子供たち、そして関わる大人たちの能力を最大化させ、発展と成長の機会につなげることが「明るい豊かな社会」の実現につながっていくものと考えます。そして、技術革新等の影響により、子供たちの65%は将来、今は存在しない職業に就き、今後10年から20年程度で半数近くの仕事が自動化されるとの予測もされています。このような予測がある中、我々は企業や地域のリーダーとして、今後、自社であり、関係する企業への影響を考える機会とするとともに、地域の大人たちが未だ予測不可能な未来に向けて子供たちの可能性を大きく伸ばしていかなくてはなりません。子供たちの輝かしい未来を想い、どのような環境においても力強く生きていけるように、責任世代である大人たちが、常に子供たちに必要なことは何なのかを考え、率先して行動してまいりましょう!
【心身ともに健やかな人と子供たちの笑顔が溢れるまちづくり】
人口減少、少子高齢化が加速している日本において、労働人口の減少から人手不足や労働生産性の低下、社会保障費の圧迫も問題となっています。このことは当圏域においても課題でありまちや企業、住み暮らす人々にとっても様々な備えが必要になってきています。労働人口の減少に備え、企業は今まで以上に既存の従業員に対し、健康で生産性をあげながら長く働いてもらうことが重要であり、そのためには、働きやすい環境の整備に、女性活躍の推進、健康経営などの視点が必要になると考えます。また、70歳までの就業機会の確保が努力義務化されている昨今、就業者の平均年齢が50歳を超え、ますます就業者の高齢化が進むと予測される当圏域においても、労働生産性の向上を目指すことは企業にとっても、ますます重要になってくるのではないでしょうか。当圏域に住まう人々が未来に明るい夢を描きながら行動していくには、心身の健康が必要不可欠であり、市民が健康でいることは、地域の活力や経済に大きく影響してくるものと考えます。健康というテーマにおいては、世の中には様々な取り組みや支援が溢れていますが、既存の取り組みや支援を上手く活用しながら、そして、同じ課題を共有するパートナーと共に、私たちにしか出来ない運動で持続可能な仕組みづくりを考えてまいりましょう。
さらに、女性活躍の推進にもつながるベビーファースト運動を、昨年度に引き続き、本年度も推進してまいります。ベビーファースト運動とは、子育て世代が子供を産み育てたくなる社会の実現を目指して、全国各地の企業や自治体を巻き込み、社会全体の空気感を変えるべく、公益社団法人日本青年会議所が推進している運動であり、当LOMとしては昨年度、気仙沼市と子育て支援団体、市内企業を巻き込み、ベビーファースト宣言を行いました。昨年度宣言していただいた企業のフォローや検証を行いながら、本年度も当圏域の多くの企業でこのベビーファースト運動を拡げることができれば、企業が子供を産み育てやすい社内環境を整備することにもつながり、子育て中の男性のみならず、女性の活躍にも、より期待が持てるのではないでしょうか。心身ともに健やかな人々と子供たちの笑顔が溢れる当圏域の実現に向け運動を起こしてまいりましょう!
【持続可能な気仙沼みなとまつりへ】
私が幼い頃母と行った気仙沼みなとまつり、船で父が太鼓を叩く姿を見て「私もあのカッコイイ船に乗りたい!」幼い頃の記憶ですが、私の中でずっと鮮明に残っている記憶でした。また、私が高校生の時には「はまらいんや踊り」に友人と参加したこともあり、とても楽しい記憶として残っています。新型コロナウイルス流行前の青森ねぶた祭に代表される跳人のように、多くの市民や観光客を巻き込んだ仕組みづくりは、参加側と見物側どちらにも高揚感を与え、毎年足を運びたくなる仕掛けがあるように感じます。気仙沼みなとまつりに一人でも多くの市民や観光客との関わりをつくることで、関わった人やその家族、一人ひとりの心に残るおまつりとなり、おまつりのみならず気仙沼市のファンをつくることにもつながると考えます。新型コロナウイルス感染症の影響から近年のみなとまつりは中止や縮小開催となりましたが、我々気仙沼青年会議所は困難に歩みを止めることなくオンラインみなとまつりやJC縁日、第70回気仙沼みなとまつりを開催し、その時出来ることを全力で行い、市民に笑顔と感動を届けてきました。どのような環境下であろうとも、我々はまちのために全力で、市民に笑顔と感動を届けることを忘れず、一人ひとりの心に残るおまつりを考えていきましょう。
そして、忘れてはならないのは、おまつりには社会課題解決につながるパワーがあるということです。観光客の誘致や地域経済の発展、移住促進、演者として参加をすれば市民の体力作り等にもつながります。我々は地域に根差す団体として、地域の社会課題を解決に導く運動を行う視点を大事にし、社会の課題を解決することで持続可能な地域を創っていかなくてはなりません。また、持続可能なおまつりにしていくには、ヒトやモノ、資金面においても検討していかなくてはいけないと考えます。おまつりは多くの人が集まる絶好の機会と捉え、その機会を上手く活用していき、受け継がれてきた素晴らしい歴史と伝統を紡ぎながらも、あらゆる角度から持続可能なおまつりの在り方を模索してまいりましょう!
【ブランドを高める組織づくりと選ばれる広報戦略】
これまで気仙沼青年会議所は地域内外に向けて、我々の活動や運動を発信し、共感をいただけるよう様々なツールを用い広報活動を展開してきました。しかし、我々が行っている広報は届けたい相手にしっかり届いているのでしょうか。誰に何を届けたいのか考え広報活動を行えているでしょうか。いくら素晴らしい運動を行おうとも、当圏域の一人ひとりに届くような広報や、ニーズを捉えた広報を行っていかなければ、運動の効果も減少するのではないでしょうか。世の中に情報が無数に溢れている中、届けたい相手に届けたい内容がしっかり伝わるよう、文章や手法も考え抜き、様々な媒体を有効に活用しながら、戦略的に「選ばれる広報」を目指し、当圏域に向けて運動の影響力を高めてまいりましょう。
そして、我々の運動の効果をより高めるためには、ブランド力向上につながる広報がとても重要です。地域から愛され、信頼される組織となれるよう、どのような団体なのか、何をしているのか、何をしてきたのか、継続的に伝え、多くの共感を生みだしていかなければなりません。今まで54年の歴史を積み上げながら、地域課題解決に向けた運動を多く展開してきました。我々が行っている運動を伝えていくのはもちろんのこと、先輩方が築き上げてきた素晴らしい事業を多くの人に伝え、歴史や伝統を学ぶとともに、我々のブランディングを推し進めてまいりましょう。また、ブランド力を高めるためには、会議の質を上げることも重要になってきます。青年会議所は会議という名が付く通り、全ての運動や活動は会議から始まり、より良い事業や例会を構築するには、質の高い会議運営が必要であり、事務局と連携しながら組織を円滑に運営し、メンバーのパフォーマンスを最大化できる組織運営が求められています。メンバーの貴重な時間を使っているからこそ、決められた時間内で効率的な会議につなげられるよう、会議に臨む一人ひとりが責任と役割をしっかりと把握し、メンバー一人ひとりが個性を発揮できる組織と会議の運営につなげてまいりましょう!
【メンバーへの機会の提供と育LOM】
青年会議所は多くの機会で溢れており、機会の1つに例会や事業があります。我々は同じ会費を払っているからこそ、同じ学びを共有していかなくてはならないと感じています。機会をつかむか、つかまないかは人それぞれではありますが、例会や事業に出たくても仕事や家庭、体調面などの事情が重なりどうしても出席が叶わないことや、遅参や早退、公務が重なってしまうことなど、様々な理由があります。そのようなメンバーに向けて、できる限りの機会を提供していくのは、重要なことではないでしょうか。例会のハイブリッド形式での開催やアーカイブ配信、例会参加者との学びの共有機会なども検討し、例会を構築してまいりましょう。もちろん、メリットだけではなく、デメリットとなることもあります。現場でしか気づけない学びや、メンバー同士の交流はリアルでしか得られないものであり、例会に臨む姿勢や集中力の欠如はオンライン参加では懸念点となってしまいます。リアルでの参加を推奨しつつも、欠席者にも寄り添った形をつくってまいりましょう。
また、当LOMでは2021年度に宣言をした「育LOM」についても今一度見つめ直すことが必要であると感じます。取り組み内容としては、1.スマート会議、2.子連れJAYCEEへの斟酌、3.JCに対する家族の理解を促進する、4.年間の予定表を作成・共有、とあります。女性メンバーの拡大や例会の参加率向上、ベビーファースト運動を推進していく上で大事になってくることは、育LOMの考えを取り入れた組織の改革だと思います。本年度は「子連れ参加の可否」を議案書フォーマットの項目に追記すると共に、メンバーへ年間予定の早期共有を徹底し、組織として多様性への配慮を心がけながら、誰一人取り残さない組織を実現させ、全員でまちや人のために率先して行動してまいりましょう!
【むすびに】
百花繚乱とは様々な花が咲き乱れる様子を表しており、転じて、優れた業績や人物が一時期にたくさん現れることのたとえですが、様々な花が咲き乱れる様子とは、野に咲く草花の自然本来の姿であります。花はしっかりと根を張り、必要な光と栄養を吸収しながら、きれいな花を咲かせます。一つとして同じ容姿の花はなく、一つひとつが咲き誇り、全体が生き生きと調和しているのです。我々も同じく、先輩たちが築き上げてきた気仙沼青年会議所という場所にしっかりと根を張り、多くの学びや経験を得て、それぞれの個性を最大限に発揮しながら、生き生きと調和していく組織となり、志を同じくする仲間と共に「明るい豊かな社会」の実現を目指し、私たちの運動から住み暮らすこのまちを美しく彩ってまいりましょう!みんなとならできる!百花繚乱!